「任意整理」に関するお役立ち情報
任意整理の具体例
1 任意整理の流れ
任意整理はいくつかある債務整理の手法のひとつです。
任意整理は、債務者の方と貸金業者等との間で直接交渉を行い、債務の減額や分割回数の増加(月々の返済額の減少)などを実現します。
任意整理後は、多くの場合、受任通知送付時点の残債務の元本と、支払い停止後から和解日までの遅延損害金の合計額を、3~5年(36~60か月)程度で分割して支払うことになります。
また、任意整理前とは異なり、将来利息がカットされた場合には、実質的な返済総額も任意整理をすることにより下がります。
分割回数は、債務者の方の返済原資(ひと月あたりの手取り収入から、生活費等を控除した残額であり、返済に回すことができる金銭)の金額などを考慮して決めていきます。
2 具体的な任意整理のケース
任意整理を行った場合の見通しについて、具体例を挙げて説明いたします。
ある債権者に対する現在の残債務額が30万円で、現在毎月1万円の返済をしているというケースを想定します。
毎月の返済額である1万円の中には、利息が多く含まれており、元本の返済額はそれほど大きくありません。
そして、債務者の手取り収入や支出などの生活状況を踏まえると、毎月6000円まで、であれば無理なく返済をすることができるとします。
そして、任意整理を弁護士に依頼し、弁護士から債権者へ受任通知を送付した後、一定期間弁護士費用の積み立てを行うなどしたため、和解日までの遅延損害金が1万2000円になっていると仮定します。
この場合には、残債務の元金である30万円に、遅延損害金1万2000円を足した合計31万2000円を、60回分割で返済するという内容で和解をすることで、毎月5200円の支払いでの返済が可能となります。
仮に6年間(84か月)で返済するという内容で合意できた場合には、月々3800円の支払い(端数は、通常初月または最終月で調整)となります。
これらの返済額のなかには、任意整理前と違い、利息が含まれませんので、支払っても元金がなかなか減らないということはありません。